MTGの「サブタイプ」とは?|種類やルールを初心者向けに解説
突然ですが質問です。この2枚のカード、どちらが強いと思いますか?


1枚はシンプルな2/1クリーチャー、もう1枚はそれに加えて有用な能力を持っていますね。
このような組み合わせは上位互換・下位互換の関係と言われ、ほとんどのケースで《ワンダーブラインの罠師》は《サバンナライオン》よりも強いカードだと言えます。
しかしデッキによっては、《サバンナライオン》の「猫」というクリーチャー・タイプが大きな意味を持ちはじめます。

たとえば「猫」を強くサポートする《初祖牙、アラーボ》デッキでは、少し性能が劣っていても「猫」であることが採用基準になります。
このように単純なカードの強さだけでは測れないのが、マジック:ザ・ギャザリング(MTG)の面白いところです。
クリーチャー・タイプのように、特定のカード・タイプに紐づいた特性を「サブタイプ」と呼びます。
サブタイプへの理解を深めれば、違った角度からカードを見ることができますし、実際にデッキを組むときにも必ず役に立ちます。
この記事では代表的なサブタイプの紹介と、それがどうゲームに影響するのかを詳しく解説していきます。
サブタイプの概要
「サブタイプ」は、カードの持つ特性の一つです。
特性とはカード名やマナコストなど、そのカードに設定されている数値や情報のことを指します。
▶カードの特性については、以下の記事で詳しく解説しています。


「サブタイプ」はカード中央のタイプ行(右側)に、そのカード・タイプに対応するものが書かれています。
ほとんどのサブタイプは「特殊タイプ」のように特別なルールを持っておらず、ほかの呪文や能力で参照するのが主な役割です。
ただしアーティファクト・タイプの「装備品」、エンチャント・タイプの「オーラ」など、それ自体がルールを持つものも一部存在します。
▶特殊タイプについては、以下の記事で詳しく解説しています。

カード・タイプ別サブタイプ一覧
サブタイプには、そのカード・タイプごとに専用のものが存在します。
とても種類が多いので初心者のうちは、
- アーティファクト・タイプの「装備品」や「機体」
- エンチャント・タイプの「オーラ」
など、よく使うものだけ覚えておくだけでも十分です。
この記事では、実際の対戦で見かける機会の多いサブタイプにしぼって紹介します。
(2026年4月24日時点の情報です)
クリーチャー・タイプ
「クリーチャー」と「同族」専用のサブタイプです。
サブタイプとしては最も種類が多く、現在までに300種類以上が登場しています。
クリーチャー・タイプのほとんどは「エルフ」や「ゴブリン」などの種族を表すものですが、「戦士」や「ウィザード」など、そのクリーチャーの役職を示しているものもあります。


クリーチャー・タイプを参照する効果で最もポピュラーなのは、「特定のクリーチャー・タイプに修整を与える」ものでしょう。
《エルフの大ドルイド》は「エルフ」を、《ハーフボレーの爆弾兵》は「ゴブリン」を強力にサポートする能力を持っているので、デッキ全体をそのクリーチャー・タイプで固める価値が生まれます。
「同族」カード・タイプについて


クリーチャー以外のカードにクリーチャー・タイプを持たせるための、補助的なカード・タイプです。
これによって『キスキン呪文1つを唱えるたび~』のような効果を、本来クリーチャー・タイプを持たないエンチャントやソーサリーが誘発できるようになります。
呪文タイプ
「ソーサリー」と「インスタント」専用のサブタイプです。
呪文タイプは5種類あり、最近のものでは「講義」や「出来事」「前兆」などがあります。


「講義」のような呪文タイプはカードの効果で参照するだけですが、「出来事」と「前兆」はそれ自体が特別なルールを持っています。
「出来事」について

《エルドレインの王権》(2019.10.04)で登場した「当事者カード」が持つ呪文タイプです。
当事者カードの文章欄は左右に分かれていて、右側がそのカード本体の能力、左側が「出来事」を持つ別の呪文になっています。
- プレイヤーは当事者カードを、「出来事」呪文として唱えることができます。
- 呪文が解決されたら、そのカードは墓地に置かれずに追放されます。
- これによって追放されたカードは、あとで本体側の呪文で唱えることができます。
当事者カードは簡単に言ってしまえば、「出来事」を経由することで2回使えるというカードです。
もちろん本体側の呪文から唱えることもできますが、その場合は「出来事」として唱えられなくなるので注意しましょう。
「前兆」について

《タルキール:龍嵐録》(2025.04.11)で登場した「前兆カード」が持つ呪文タイプです。
前兆カードの文章欄は左右に分かれていて、右側がそのカード本体の能力、左側が「前兆」を持つ別の呪文になっています。
- プレイヤーは前兆カードを、「前兆」呪文として唱えることができます。
- 呪文が解決されたら、そのカードをライブラリーに加えてシャッフルします。
前兆カードは前述の「当事者カード」とは異なり、1枚で2回使えるというカードではありません。
ただし解決後にライブラリーに戻るので、引き直せばまた唱えられるという利点があります。
アーティファクト・タイプ
「アーティファクト」専用のサブタイプです。
アーティファクト・タイプは21種類あり、よく見かけるものには以下のようなものがあります。
- 宝物(ほうもつ)
- 食物(しょくもつ)
- 手掛かり
- 装備品
- 機体
「宝物」「食物」「手掛かり」は以下の共通した能力を持ちますが、これらはルールではなくそのカード自体に書かれている能力です。
「宝物」⇨好きな色1色のマナ1点を加える
「食物」⇨3点のライフを得る
「手掛かり」⇨カード1枚を引く
そのため仮に《宝物・トークン》が「宝物」のサブタイプを持っていなくても、その起動型能力は問題なく使用することができます。
アーティファクト・タイプでは、「装備品」と「機体」が特別なルールを持っています。
「装備品」について

《ミラディン》(2003.10.03)で登場した、古くからあるアーティファクト・タイプです。
「装備品」はクリーチャーに装備することでパワー/タフネスへの修整を与えたり、さまざまな能力を付与する効果を持っています。
張り付けたクリーチャーを強化するという点では、エンチャントの「オーラ」とよく似た役割のカードです。
- 装備能力を起動して、クリーチャーに装備することができます。
- 装備したクリーチャーが戦場を離れても、「装備品」は戦場に残ります。
「機体」について

《カラデシュ》(2016.09.30)で登場したアーティファクト・タイプです。
「機体」はパワー/タフネスを持っていますが、そのままでは攻撃もブロックもできません。
ほかのクリーチャーをタップさせることで、はじめて機体はアーティファクト・クリーチャーとして戦闘に参加できるようになります。
単独で戦うことができない代わりに、マナコスト以上の高い戦闘力を持つことが特徴です。
- 搭乗能力を起動することで、ターン終了時まで機体はクリーチャーになります。
- 搭乗後に「機体」が破壊されても、搭乗したクリーチャーは破壊されません。
- 搭乗したクリーチャーが破壊されても、「機体」はクリーチャーのままです。
エンチャント・タイプ
「エンチャント」専用のサブタイプです。
エンチャント・タイプは12種類あり、よく見かけるものには「オーラ」や「英雄譚」などがあります。


エンチャント・タイプには定番の「オーラ」「英雄譚」のほかにも、「クラス」「役割」「事件」といった特別なルールを持つものが多く存在します。
「オーラ」について

MTGの始まりである《アルファ版》(1993.08.05)から存在するエンチャント・タイプです。
「オーラ」はクリーチャーや土地に張り付けるカードで、その対象を強化したり弱体化させる効果を持っています。
役割としては「装備品」に近いですが、効果の幅が広いことがひとつの特徴です。
- テキストに指定されているものを対象に唱え、解決されると戦場に出ます。
- エンチャントされた対象が戦場を離れた場合は、戦場から墓地に置かれます。
「英雄譚」について

《ドミナリア》(2018.04.27)で登場したエンチャント・タイプです。
「英雄譚」は過去の物語を表現したカードで、伝承カウンターが増えるたびに、その個数に応じた章の能力が誘発します。
- 伝承カウンター1個が乗った状態で戦場に出て、1章の能力が誘発します。
- 自分の戦闘前メイン・フェイズ開始時に伝承カウンター1個を乗せ、2章以降の能力が誘発します。
- 最終章の能力を解決したあとに、その「英雄譚」を生け贄に捧げます。
「クラス」について

《フォーゴトン・レルム探訪》(2021.07.23)で登場したエンチャント・タイプです。
「クラス」は冒険者の職業を表現したカードで、マナを支払ってレベルアップすることで、新たな能力を獲得していきます。
- 「クラス」はレベル1の状態で戦場に出ます。
- 指定されたコストを支払うことで、レベルがひとつ上がります。
- レベルが2以降になっても、それまでに得た能力は失いません。
「役割」について


《エルドレインの森》(2023.09.08)で登場したエンチャント・タイプです。
「役割」はクリーチャーに与えられた肩書や立場を表したトークンで、必ずオーラのサブタイプを合わせ持っています。
- 1人のプレイヤーが、1体のクリーチャーに与えられる「役割」は1つまでです。
- 1体のクリーチャーに複数の「役割」を与えると、古いものは墓地に置かれます。
「事件」について

《カルロフ邸殺人事件》(2024.02.09)で登場したエンチャント・タイプです。
「事件」はその名の通り解決すべき事件を表したカードで、特定の条件を満たすことで謎が解明され、新たな能力を獲得します。
- 「事件」は未解明の状態で戦場に出ます。
- 自分の終了ステップ開始時に条件を満たしていれば、その事件は解明されます。
- 事件を解明しても、解明前の能力は失いません。
プレインズウォーカー・タイプ
「プレインズウォーカー」専用のサブタイプです。
サブタイプとしては2番目に種類が多く、現在までに80種類以上が登場しています。


「リリアナ」や「チャンドラ」は、そのプレインズウォーカー自身の名前を表しています。
キャラクターの名前というだけあって種類は豊富ですが、このサブタイプを参照する効果はほんのわずかです。
土地タイプ
「土地」専用のサブタイプです。
土地タイプは17種類あり、最近のものでは「洞窟」「街」「惑星」などがあります。
「洞窟」のような土地タイプはカードの効果として参照するだけですが、基本土地が持つ5つの「基本土地タイプ」は特別なルールを持っています。
「基本土地タイプ」について

「平地」「島」「沼」「山」「森」の、5つの土地タイプをまとめて「基本土地タイプ」と呼びます。
これらの土地タイプを持つ土地は、タップするとそれぞれ対応する色のマナを生み出すというルールを持っています。
例:「平地」をタップ→白のマナ1点を加える、「沼」をタップ→黒のマナ1点を加える

「基本土地タイプ」は5つの基本土地のほかにも、《蒸気孔》のような基本でない土地が持っていることもあります。
たとえば《蒸気孔》は島・山の2つの基本土地タイプを持つカードなので、タップすると青や赤のマナを生み出すことができます。
まとめ
- サブタイプはカードの持つ特性のひとつで、カード・タイプに紐づく
- ほとんどのサブタイプは、ほかのカードの効果で参照するためのもの
- 「装備品」や「オーラ」など、特別なルールを持つものも一部存在する
- サブタイプを理解することでデッキ構築の幅が広がる
サブタイプはゲームに影響しないことも多いですが、ときには思わぬシナジー(相乗効果)を生み出す要素でもあります。
「単純なカードの強さだけでは測れない」というカードゲームの楽しさにつながるものなので、意識してデッキ構築に取り組んでみてください。






