デッキ構築の基本|MTG初心者が迷わない5ステップ
スターターデッキでマジック:ザ・ギャザリング(MTG)を始めて、
「そろそろデッキを強化してみたい」
「自分でデッキを組んでみたい」
と思っていませんか?
ただデッキ構築に慣れないうちは正解が見えづらく、手探りになりがちです。
- クリーチャーと呪文の比率は?
- 土地は何枚入れるべき?
- どんなカードを入れたらいいか?
そこで今回は、デッキ構築を5つのステップに分けて解説していきます。
- フォーマットを選ぶ
- コンセプトを固める
- 採用カードの選定
- マナカーブの調整
- テストプレイと改善
これらの手順を踏むことで、初心者でも迷わずに構築を進められます。
どこかでつまづいたら、ここで紹介する手順に戻って一つずつ進めてみてください。
デッキの基礎知識
そのフォーマットで使えるカードでも、なんでも自由に組み合わせられるわけではありません。
デッキを組むには最低限、守るべきルールがあります。
通常のデッキ(60枚構築)
- デッキ枚数:60枚以上(上限なし)
- サイドボード:15枚以下
- 同名カード:4枚まで(基本土地を除く)
スタンダードなど2人対戦のフォーマットでは、同じ名前のカードは4枚までと決められています。
マッチ戦(BO3)で使用する入れ替え用のカードは「サイドボード」と呼ばれ、こちらは最大15枚です。
ゲームバランス調整のために禁止されているカードは、デッキにもサイドボードにも入れることができません。
禁止カードはフォーマットごとに異なり、定期的に更新されるので事前に確認しておきましょう。
▶【禁止カード一覧】はこちら(MTG日本公式ウェブサイトへ移動します)
統率者戦のデッキ(100枚構築)
- デッキ枚数:統率者1枚を含む100枚
- サイドボード:なし
- 同じ名前のカード:1枚まで(基本土地を除く)
統率者戦のデッキでは、構築ルールが大きく変わります。
同じ名前のカードは1枚まで、デッキは統率者も合わせて100枚ちょうどで、多すぎても少なすぎてもいけません。
採用できるカードにも制限があり、統率者の固有色に含まれない色は使うことができません。
また、1本勝負なのでサイドボードも使えません。
統率者戦では、「統率者(伝説のクリーチャー)」の固有色にしたがってデッキを組むことになります。
固有色とは「そのカード自身が持つ色」に、「文章欄に書かれたマナシンボル」を加えたものです。

《傭兵、ジェディット・オジャネン》を統率者にするデッキでは、
《白》《青》《緑》
と、アーティファクトなどの無色のカードで構築しなければいけません。
《黒》や《赤》の呪文、「沼」や「山」のタイプを持つ土地は使えないので注意しましょう。
統率者戦においてもバランス調整のため、一部カードが禁止されています。
禁止カードは定期的に更新されるので、事前に確認しておきましょう。
▶【統率者戦の禁止カード一覧】はこちら(MTG日本公式ウェブサイトへ移動します)
フォーマットを選ぶ
まず最初に決めたいのは、「どのフォーマットのデッキを組むのか?」です。
フォーマットとはデッキ構築上の制限のことで、構築に使えるカードの範囲を区切るものです。
採用するカードを決めるために、まずはフォーマットを選ぶことから始めましょう。
具体的にどのフォーマットを選んだらいいかは、リンク先の記事を参考にしてください。

コンセプトを固める
フォーマットを選んだら、次はデッキの方向性(コンセプト)を決めていきましょう。
使いたいカードから考える
この記事を読んでいる方の中には、もう何度かマジックを遊んだことがある方も多いと思います。
まだ遊んでいなくても、カードを調べていて「このカード、ちょっと気になるかも」と思ったことはないでしょうか?
もし気に入ったカードがあるなら、そのカードを活躍させるためのデッキを考えてみましょう。

《原初の飢え、ガルタ》は、自分がコントロールしているクリーチャーの合計パワー分、コストが軽くなるクリーチャーです。
パワーの大きいクリーチャーと相性が良いので、クリーチャー中心の積極的に攻めるデッキで活躍できそうです。
…といったように、最初に選んだ1枚から自然とデッキの方向性が見えてきます。
ゲームプランから考える
マジックの基本的な勝利条件は、相手のライフを0にすることです。
クリーチャーで攻撃する以外にもダメージ呪文を使ったり、コンボを決めて一瞬で相手を倒す方法もあります。
まずはあなたのデッキが、「どのようにしてゲームに勝つか?」を考えてみましょう。
ここでは一例として、序盤からクリーチャーで攻めるアグロ(速攻)デッキを組むとします。
アグロ戦略には、以下のような要素が必要です。
- 低コストで攻撃的なクリーチャー
- 相手のブロッカーを対処する手段
- プレイヤーに直接ダメージを与える効果


たとえば《赤》のクリーチャーは「速攻」を持つものが多く、戦場に出たターンから攻撃してダメージを稼いでくれます。
《噴出の稲妻》のようなダメージ呪文はブロッカーを除去するのにも、終盤に残った数点のライフを削り切るのにも役立ちます。
このようにアグロデッキを組むのであれば、まずは相性の良い《赤》を使うデッキから考えるのが近道です。
ゲームプランが明確になれば、自然とデッキに必要なカードが見えてきます。
採用カードの選定
デッキのコンセプトが決まったら、次に採用候補のカードを探します。
相性の良いカードを探す

例として、《初祖牙、アラーボ》を活躍させるためのデッキを考えてみます。
アラーボは、2つの「猫」に関連する能力を持っています。
- 「猫」クリーチャーの全体強化
- 「猫」を戦場に出すたび、1/1のトークンを生成する
自身のパワー/タフネスは平凡なので、デッキを「猫」で固める前提のクリーチャーであると分かりました。
まずはそのフォーマットで使用できる「猫」カードから、相性が良いものを探しましょう。


《サバンナ・ライオン》は、最軽量の1マナで「猫」トークンを生成することができます。
《お手伝いする狩人》は1枚ドローできる代わりにパワー/タフネスが低いですが、2/2に強化されれば戦闘でも活躍するようになります。


「猫」トークンはそのままでは1/1、アラーボの強化を受けても2/2とやや決定力に欠けます。
相手のブロッカーで攻撃が止まってしまうときは、《平和の心》のような除去カードで対処したいところです。
ほかには《剝き出しの爪》で、トークンを一気に強化する方法もあります。
5マナと一見コストが重いですが、「猫」1体につき1マナ軽くなり、最低2マナで唱えることができます。
- 《初祖牙、アラーボ》
- 「猫」のサブタイプを持つクリーチャー
- 大型ブロッカー対策
- 全体強化呪文
これらのカードを適切なバランスで加えることで、1枚のカードを活かした強力なデッキになります。
ゲームプランに必要なカードを探す
次に特定のカードに注目せず、ゲームプランから構築する方法を紹介します。
デッキの勝ち筋が決まれば、その戦略を成り立たせるために必要なカードが決まります。
例として、終盤まで耐えてから攻勢に転じるコントロール(妨害)デッキを考えてみましょう。
コントロール戦略には、以下のような要素が必要です。
- 序盤の攻撃に耐える手段
- 長期戦で優位に立つためのアドバンテージ源
- ゲーム終盤に唱えるフィニッシャー


終盤まで耐えるためには、相手の動きを妨害してライフを守る必要があります。
《突き刺し》はわずか1マナで唱えられる、扱いやすいクリーチャー除去です。
除去が効かない厄介なインスタント・ソーサリーには、《論破》のような打ち消し呪文で対応できます。


コントロールデッキは土地を多く採用したいので、追加のドローがないと呪文が足りなくなってしまいます。
相手のターンに妨害を構えつつ、隙を見てカードを引ける《速足の学び》は、コントロール戦略に適したドロー呪文です。
無事に終盤まで生き延びたら、《戦慄衆の将軍、リリアナ》のような強力なフィニッシャーを唱えて、速やかにゲームを終わらせましょう。
- クリーチャー除去
- 打ち消し呪文
- 追加のドロー手段
- 強力なフィニッシャー
このようにコントロールデッキを組むのであれば、打ち消しやドローが得意な《青》に、クリーチャー除去に優れる《黒》を足すのは定番の組み合わせです。
これらのカードを適切なバランスで加えることで、1つの戦略に沿った強力なデッキになります。
サイドボードの構築(BO3向け)
公認大会は、マッチ戦(BO3)で行われる形式が多いです。
最初のゲームを終えたら、両プレイヤーはサイドボーディングの時間が与えられます。
- メインデッキで最初のゲームを行う。
- 次のゲームを始める前に、デッキとサイドボードのカードを入れ替えてもよい。
- 直前に敗北したプレイヤーが先攻・後攻を選んでゲームを行う。
- ②~③を繰り返して、先に2勝したプレイヤーがマッチの勝者となる。
サイドボードの役割は、対戦相手の戦略に合わせてデッキを最適化することにあります。
例えばクリーチャー除去はアグロに対して有効ですが、コントロールとの対戦ではあまり使い道のないカードです。
コントロールデッキに対しては除去呪文よりも、追加のアドバンテージ源や、1枚でゲームの流れを変えるフィニッシャーが重要になります。
《ドラゴン呼びの儀式》や《整炎師、チャンドラ》はコストの重いカードですが、サイドボードに用意しておけば必要な対戦でだけ利用することができます。

もっとピンポイントに、特定のデッキへの対策カードを入れるのも有効です。
《ゾンビ化》を使うコンボデッキは、墓地に送ったカードを蘇生することで素早く大型クリーチャーを呼びだすことができます。
4ターン目に出てくる《七つの死の種父》は圧倒的な戦闘能力を持ち、破壊しても再び戦場に戻ってくる可能性があります。


このようなコンボデッキと正面から戦っては部が悪いので、コンボの成立を妨害しながら攻め切るのが定石です。
「墓地のカードを追放する効果」は墓地を使わないデッキには何もしませんが、《ゾンビ化》デッキに対しては一番の対策になります。


これらのアグロやコントロール、コンボ対策などを組み合わせて15枚のカードを選びましょう。
サイドボードでよく見るカードをまとめておきますので、自分のデッキに合ったサイドボードを構築してみてください。
- クリーチャー除去
- エンチャント・アーティファクト対策
- 打ち消し(《青》を使う場合)
- 手札破壊(《黒》を使う場合)
- ドローなどのアドバンテージ源
- 墓地を追放する効果を持つカード
マナベースの構築
デッキに採用する呪文が決まったら、次は「呪文」と「土地」のバランスを考えましょう。
十分なマナがなければ、どれだけ呪文があっても唱えることはできません。
マナベースの構築で、まず意識したいのが「マナカーブ」の概念です。
マナカーブとは?
呪文はそれが強力であるほど、マナコストが高くなる傾向にあります。
そのため毎ターン土地から生んだマナを使い切ることが、ゲームを有利に進めるコツです。

マナカーブとは「各マナ域のカードが適切な枚数入っているかどうか」の目安で、これを守ることでスムーズに呪文を唱えやすくなります。
序盤に必要な1~2マナのカードを多めに、3マナ、4マナ…とコストが重くなるほど少ない枚数にするのが理想的なマナカーブです。

土地の適正枚数
呪文の枚数が決まったら、バランスを見ながら土地を入れていきます。
土地の必要枚数はデッキによってさまざまですが、ある程度の傾向はあります。
アグロのように序盤を重視するデッキなら土地は少なめに、コントロールのように終盤を重視するデッキなら土地は多めになります。
- 序盤に力を発揮させたい
- ドローできるカードが少ない
- 色数が少ないデッキ(1~2色)
- 終盤に力を発揮させたい
- ドローできるカードが多い
- 色数が多いデッキ(2~3色)
アグロなら22枚以下、ミッドレンジ(中速)なら24枚前後、コントロールなら26枚以上がひとつの目安になります。
土地が多ければ毎ターン安定して置くことができる代わりに、終盤にマナが余りやすくなります。
逆に少なければ土地を並べにくい代わりに、終盤に土地を引きすぎずに済みます。
適正な枚数を見つけるのは難しいので、基準となる枚数から始めて調整していくのが近道です。
呪文のように使える土地
「土地は毎ターン置きたいが、終盤に引きすぎることも防ぎたい」
そんな願いを叶えてくれるのが、マナを支払って呪文のように使える土地です。
《魂石の聖域》はマナを供給しながら、終盤はクリーチャーとして戦うこともできます。
《ならず者の道》はクリーチャーに「ブロックされない能力」を与えて、戦闘を支援できる土地です。
色マナが出せないデメリットはあるものの、これらの土地を使えば十分な土地枚数を確保することができます。


色マナのバランス調整
土地の枚数が決まったら、次に色マナのバランスを考えます。
2色以上でデッキを組む場合、その色が出せる土地が少ないと、マナが足りていてもコストが支払えないリスクが増えてしまいます。
《セラの天使》は5マナの呪文ですが、唱えるためには《白》のマナが2つ以上必要です。

では具体的に、《平地》は何枚入れたらいいのでしょうか?
(経験則ですが…)仮に24枚のマナベースなら、《平地》が14枚あると安定して唱えることができます。
同じデッキで《本質の散乱》を使うなら、《島》も12枚は入れておきたいところです。


しかし24枚という限られた枠に、必要な土地をすべて入れることはできません。
ここで役立つのが、2色のマナを生み出せる土地です。

《平穏な入り江》はすぐにマナを出せないものの、次のターン以降《白》か《青》の好きなマナを生み出してマナベースの安定に貢献します。
足りない色を2色土地で補えば、2~3色のデッキでも問題なく呪文を唱えることができます。

《平地》+《島》+《平穏な入り江》=24枚
《白》マナ14枚⇨OK
《青》マナ12枚⇨OK
テストプレイと改善
最後は、実際にテストプレイを重ねながらデッキを磨いていきます。
- 呪文や土地のバランスは適切か?
- 序盤から動ける手札を引けているか?
どれほど慣れたプレイヤーであっても、最初から完璧なデッキを組めるわけではありません。
下記のチェックリストを参考に、少しずつ理想のデッキに近づけていってください。
- マリガン頻度が多すぎないか
- 毎ターン、マナを使い切れているか
- 使っていないサイドボードはないか
- 同じような理由で負けていないか
まとめ
- コンセプトが明確になれば、必要なカードも見えてくる
- 苦手なデッキはサイドボードで対策
- 多色デッキではマナベースの構築が最重要
- 最後はとにかくテストプレイ&改善
デッキ構築に唯一の正解はありません。
そのとき流行っているデッキによっても、最適なカード選択は変わります。
まずは自分で組んだデッキを試してみて、気になる点があればひとつずつ直していきましょう。
納得のいくデッキが出来たらフライデーナイトマジック(FNM)など、初心者でも参加しやすいイベントにもチャレンジしてみてください。


